JOURNAL 特集
The Origins of “Slope Bookend”

DETAILのオリジナルプロダクトである「Slope Bookend」。
一般的な「本を収納する家具」とは一線を画す、そのフォルムや佇まいが世界中から支持を頂いているプロダクトです。
本を収納するという”行為”から見つめ直すこのプロダクトがどのように生まれたのか。DETAILのディレクター兼デザイナーに開発までのストーリーを語ってもらいました。

目を奪われる「転がる瞬間」から始まった
あの一瞬をイメージできるでしょうか?
ビンゴゲームで球が転がり出て、誰もが息を呑む一瞬。
たった一つの球体が、その場の空気を変える。
それは記憶に残る「動き」でした。

整理が苦手、だからこそつくった道具
わたしは、自分が整理整頓が得意だとは思いません。
読みかけの本や雑誌を、気がつけば床に積み上げてしまう。下の方にある本なんて、もう何ヶ月も手に取っていないことだってある。
だけど、そんな“ちょっとした怠惰”を責めるのではなくむしろ受け入れながら、楽しく整える方法があるのではないか?
それが「Slope Bookend」のはじまりでした。

“転がる”という体験を、日常に取り入れる
球がスロープを転がり落ちていく姿は予想以上に視線を集め、空気を変えます。
その“静かな高揚感”をインテリアの中に取り込めないかと思ったのです。

触れるたび、心がととのう
球体にはナチュラルな質感のマンゴーウッドを選びました。その自然な風合いが、触れたときに木の生命を感じさせてくれます。スチールのフレームは、視覚的な主張を抑えた細線のフォルムに。
2本のフレームに支えられた傾斜と、ひとつの球体。空間を邪魔せず、けれど確かにそこにある。この絶妙なバランスが「Slope Bookend」の本質です。
本やレコードをそっと立てかけるたびに、そこには小さな「動き」と「間」が空間に生まれます。あなたの好きなものを、美しく、そして少し誇らしげに見せてくれるプロダクト。
それがこのブックエンドなのです。
Gold




Silver




語りかける、「ありのままでいい」
わたしは、普段の生活が完璧である必要はないと思っています。むしろ、少し不完全なままでもいい。
ただ、その中に小さな「リズム」や「楽しさ」があれば、それは本来の美しい生活だと思っています。
「Slope Bookend」は、完璧な整理整頓を目指すための道具ではありません。あなたの日常に、ほんの少しの余白と、遊び心を添えるためのオブジェクトです。


今日も、誰かの”好きなもの”を支えている
このプロダクトは、あなたの本を整えるだけでなく、あなたの時間や思考、生活までもととのえてくれるかもしれません。
いつも読む本の隣に、週末に読む雑誌に、お気に入りのレコードのそばに。
そこに「Slope Bookend」があるだけで、少しだけ心が軽くなる。
そんな存在になってくれたら、わたしはうれしいです。




掲載情報
Publication information

2013年に設立された台湾発のライフスタイル・キュレーションメディア兼ブランド「EVERYDAY OBJECT」にSlope Bookendを掲載していただきました。
EVERYDAY OBJECT
「有意義なライフスタイル」をテーマに、ファッション、デザイン、旅行、アートなど多岐にわたる分野の情報を発信するサイトは、中国語圏内で最も影響力のあるライフスタイルメディアの一つと評され、幅広いユーザーに強く支持されています。
https://www.everydayobject.us

