JOURNAL 特集
Mini Kisu

ふと目をやると、静かにそこにいる
光と影をまとうたび、違う表情を見せてくれる
空間に溶ける静かなアート


モダンデザインの巨匠エーロ・アールニオ。
彼の代表作であるボールチェアやパスティルチェアに通じるミッドセンチュリーのDNAを宿しながら、極限まで削ぎ落とされデフォルメされた猫のフォルムが、静かでどこか愛らしい存在感を放ちます。
シンプルだからこそ、光の角度や時間帯によって繊細に表情を変え、空間にリズムと奥行きを生み出します。
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Detail
細部まで追及された美意識
このオブジェがもたらすのは、ただの可愛らしさだけではありません。シンプルだからこそ、光の角度や時間帯によって繊細に表情を変え、空間にリズムと奥行きを生み出します。ひとつ置くだけで、静かな変化が日々の景色に生まれます。
Mini KISUはフィンランド国内の工場で、ひとつひとつ丁寧に制作されています。素材の確かさ、ディテールへのこだわり、そして“本物”にしか宿らない存在感。そのすべてが、小さなフォルムの中に凝縮されています。伝説的デザイナーが手がけたこの小さなアートピースは、日常のふとした瞬間を、特別なものに変えてくれるでしょう。





Who is Eero Aarnio?
エーロ・アールニオの魅力


エーロ・アールニオが初めて鉛筆を手にしたのは6歳のとき。労働者家庭に育った彼にとって、描くことは生活の延長でした。
建築家ヘイッキ・シュシメッツァの勧めで進学した工芸美術学校では、タピオヴァーラやヌルメスニエミといった巨匠のもとで実務を学びんだ後に独立し、自らの手で家具を生み出す道へ。描写力と造形感覚だけでなく、写真やグラフィックにも通じていた彼は、製品撮影のディレクションまで自ら手がけました。
“スペースエイジのデザイナー”と称されながらも、スタイルよりも機能性を大切にするフィンランド的アプローチを貫き、プロダクトには表情とキャラクターを宿らせる力を持っています。
彼の代表作が世界で愛されるのは、単なるフォルムの美しさ以上に、そこに込められた思想とストーリーがあるから。大胆さと好奇心を武器に、新素材との出会いを楽しみ、常に新たな問いを持ち続けるその姿勢こそが、時代を超える「かたち」を生む原動力です。


Form / Material
シルエットと素材
ミニマルでなめらかな猫のフォルムは、彼の代表作ボールチェアやパスティルチェアに通じる美学を受け継ぎながら、現代的なインテリアにも自然に溶け込みます。
エーロがスケッチから描き起こしたフォルムは、ごくシンプルなラインで構成されながらも猫の凛とした姿勢や愛らしさが表現されています。また陶器という素材もこのオブジェにナチュラルな柔らかさや親しみやすさを与え、手にとった際の自然な質感とほどよい重量は作品に生命が吹き込まれたような愛着を感じます。







STORY of Kisu
猫への愛情から生まれた作品
エーロは子供の頃から猫に魅了されていたものの、1940年代当時、アールニオ一家はペット禁止のアパート住まい。幼いエーロはアパートの周りでくつろぐ野良猫を家に連れ帰ってしまい、その熱心な一面に触れた母親は、内緒で一日だけ猫と遊ぶのを許してしまったそう。
「猫は私にとって、常に共感できる動物でした」と彼は言います。エーロはこれまで数々の動物のフィギュアやキャラクターをデザインしてきましたが、ついに猫もデザインする時が来たと決心。そしてついに”Kisu”=「子猫」のフィギュアが生まれました。これは彼が子供の頃、猫に親しみをもって”Kisumisu”という愛称で呼んでいたことが由来です。

Lineup
ラインナップ

Kisu Black/White
・エーロ・アールニオが手がけたミニマルな猫のシルエットが際立つデザイン
・屋内外どちらにも映えるブラック&ホワイトのモダンアートオブジェ
・フィンランド製、確かな素材と造形美が生む“本物”の存在感

MiniKisu White
・エーロ・アールニオが生み出したKISUを、セラミック素材で新解釈
・シンプルなフォルムと光の陰影が織りなす、豊かな表情
・フィンランド製、職人技が宿る小さなアートピース